FILTERiT5: Live シンボル・パス

インデクス ] [ ライブ( Live )機能全般

 

概要:

選択オブジェクト(パスまたはテキストおよびそのグループ)の輪郭に沿って「シンボル」(*)のインスタンスを様々な指定に従って配置します。
適用後のライブオブジェクトを編集すれば、それに合わせて視覚効果は自動的に更新されます。
また「シンボル」を編集すればそれを配置しているライブオブジェクトにも反映されます。

(*) ここでいう「シンボル」とは Illustrator の「シンボル」パネルで選択中(複数選択可)のシンボルのことです。

基本操作例:

サンプルファイル live_symbolpath_01.ai参照
  1. 「 Illustrator >ファイル>新規…」メニューで新規書類(単位は pt )を開く。
  2. 「 Illustrator >ウィンドウ> FILTERiT5 > Live シンボル・パス」メニューを選択する。 「FILTERiT5: Live シンボル・パス」というタイトルのパネルが開く。
  3. 書類上に長径 500 pt 、短径 300 pt の楕円を描き、塗り色を白、線色を黒、線幅を 1 pt とする。
  4. Illustrator の「シンボル」パネルからひとつ以上のシンボルを選択する。
  5. 楕円を選択状態にする。
  6. パネル・メニュー(パネル右上)から「初期設定」を選択する。
  7. パネルの「適用」ボタンをクリックする。
  8. パネルの「終端調整」の設定を「サイズで」にする。楕円パス上でのシンボル・インスタンスの配置のつなぎ目が調整されます。
  9. Illustrator の「シンボル」パネルから異なるシンボルを選択する。
  10. 「適用」ボタンをクリックする。配置シンボル・インスタンスの変更許可を求める確認アラートが表示されますが、OK ボタンをクリックすれば配置シンボル・インスタンスが入れ替わります。
  11. 次項を参照してパネルの設定項目を変更してみる。

パネルの設定項目について:

[間隔(%)]値入力
シンボル・インスタンスの配置間隔をシンボル幅相対で指定します。隣り合うシンボル幅の 1/2 どうしを加えた間隔で配置されます。
入力欄右隣りの「均等に」を選ぶと複数の幅の異なるシンボル・インスタンスが配置される場合にも平均値で等間隔に配置されます。

[サイズ(%)]値入力
シンボルの拡大縮小率を指定します。
入力欄右隣りの「線幅も」オプションを選ぶと線幅も同時に拡大縮小されます。

注意:「シンボル・インスタンスを拡張する」オプションが非選択の場合は「線幅も」オプションは使用できません。 常に選択状態とみなします。

[シンボル・インスタンスを拡張する]チェックボックス
シンボル・インスタンスを「 Illustrator >オブジェクト>分割・拡張…」メニューコマンドで拡張してから配置することと等価です。
「フェード」の収束色や「ゆらぎ」グループの「歪み」と「塗り」、「線色」の各オプションが使えるようになります。

注意:このオプションが選択されていると、シンボルが編集されたときにその結果はライブオブジェクトには反映されません。

[サイズをパスの線幅に比例させる]チェックボックス
パスの線のプロファイルが均等でない場合に、線幅に比例して配置シンボル・インスタンスを拡大縮小します。拡大か縮小かは右隣りの「 基準線幅」の指定によります。

ヒント:このオプション効果を確認するには、適用パスに対し Illustrator の「線」パネルで不均等なプロファイルを選択するか、 Illustrator の「線幅ツール」で線の一部の幅を広げてみてください。ただし線のプロファイルが均一でない場合には Illustrator の「分割・拡張...」メニューコマンドは使用できません。拡張する場合は当パネルの「拡張」ボタンを用いてください。

[終端調整]ラジオボタン
しない - 終端調整はされず、終端でのシンボル・インスタンスが重なったり隙間が空いたりすることがあります。
サイズで - 全ての配置シンボル・インスタンスがパス上で過不足無く等間隔になるようにサイズで調整されます。
間隔のみで - 全ての配置シンボル・インスタンスがパス上で過不足無く等間隔になるように間隔で調整されます。

[フェード]グループ
次の3つからひとつを選択します。
しない ー 通常配置
する ー 配置数で透明か指定カラーまたはその両方へ収束させます。
ステップ ー 指定数で透明か指定カラーまたはその両方へ収束させます。

注意:「シンボル・インスタンスを拡張する」オプションが非選択の場合は収束色オプションは使用できません。

ヒント:フェードの方向を反転させるにはパスのセグメントオーダーを逆にすればよいのですが、それにはパスの端点のアンカーポイントを選択状態にして Illustrator のペンツールでそのアンカーポイントをクリックします。クローズパスの場合は端点とするアンカーポイントで切断してからこれをおこないます。再度連結するには Live シンボル・パス の効果をいったん解除してください。

[ゆらぎ]グループ
ここでの設定で、配置するシンボル・インスタンス(またはその拡張オブジェクト)に、各指定値を最大値または最小値とするオフセット(ズレ)を与えることができます。
パネル上の当グループ枠内を縦方向に見て、上から「シンボルの切り換え」「間隔H(%)」「間隔V(%)」… と、カラーまでのオフセット指定項目があります。

注意:「シンボル・インスタンスを拡張する」オプションが非選択の場合は「歪み(%)」とカラー(塗りと線色)の項目は使用できません。

各指定項目は、「ランダム」「+ -」「反転」の3つチェックボックスと、「均等/線幅/方向/周期」のどれかを選択するラジオボタンを持っています。ただし項目によっては(明らかですので)固定値とし変更できないオプションもあります。
3つのチェックボックスの意味を中心に説明します。簡単のためラジオボタンの「均等」が選択されている場合を基にしてその他の場合の違いを付記します。

「間隔H(%)」からカラー(塗りと線色)までのある項目の入力値を F とした場合の配置時のオフセット(ブレ)は次のようになります。

「ランダム(%)」値が 0 または「ランダム」がチェックオフとき:
「+ -」がチェックされていれば -F と +F の交互に、そうでなければ一定値の F になります。(「反転」がチェックされていれば値の正負は逆に)
「ランダム(%)」値が 0 より大きいかまたは「ランダム」がチェックオンとき:
「+ -」がチェックされていれば -F と +F の範囲で「ランダム(%)」値が加重されたランダム変化になります。そうでなければ 0 から F の範囲で「ランダム(%)」値が加重されたランダム変化になります。「ランダム(%)」値が大きいほどそれぞれの範囲で散乱が大きいということです。(「反転」がチェックされていれば値の正負は逆に)

「シンボルの切り換え」行の設定はシンボルが複数選択されている場合に有効です。複数シンボルの配置時の現れ方において上記と同様な振る舞いになります。
「角度(°)」を除く「間隔H(%)」…「歪みV(%)」はシンボル・インスタンス(またはその拡張オブジェクト)の水平垂直サイズの相対値です。
以上はラジオボタンの「均等」を選択した場合ですが、「線幅」選択なら線幅の太さに応じての相対的増減が加味され、「方向」選択ならパスの接線の傾きに応じて相対的増減が加味されます。方向の場合は「シフト(°)」で基準角を指定できます。また「周期」を選択すれば指定の「個数」をサイクルとして相対的増減が加味されます。
なお、ランダム値が適用される場合に「ランダムを再現」をチェックしておけば同じ乱数列(シーケンス)を繰り返し使用します。

注意:「ランダムを再現」を指定して別のシンボルに置き換える場合、対応するシンボルのバウンディングボックスのサイズが異なると配置シンボル・インスタンスが構成するアピアランス(外観)は変化します。

[ライブアップデート]チェックボックス
選択時にはパネル設定項目の変更をリアルタイムに効果に反映します。通常は選択状態にしておいてください。

[適用]ボタン
オブジェクト選択時に有効になります。クリックで当 Live 効果が適用されます。
一度ライブオブジェクトにすれば、オブジェクト編集や設定変更をごとに適用ボタンをクリックする必要はありません(「ライブアップデート」選択時)。

[拡張]ボタン
ライブオブジェクトの視覚効果を残したまま通常のグループにします。 Live 機能は消失します。
Illustrator の「線幅ツール」を併用している場合には Illustrator の「分割・拡張」メニューコマンドは使用できません。このボタンによって拡張してください。

[解除]ボタン
ライブオブジェクトを効果適用前の状態に戻します。

[パネル・メニュー](パネルタイトル右端位置)
パネルの設定を初期状態(デフォルト)にすることができます。また現在の設定に名前を付けて保存しプリセット・メニュー項目としてここに追加できます。
プリセット・メニューの使い方については「プリセット・メニュー」のページをお読みください。