FILTERiT5: フラクタル化 効果

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概要:

選択オブジェクト(パスまたはテキストおよびそのグループ)のセグメントを細分化し、指定のジェネレータ(基本図形)のインスタンスで置き換えます。置き換えはレベル数に応じて繰り返しおこなわれます。
基オブジェクトを再編集できて効果は自動的に更新されます。
Illustrator の「アピアランスを分割」コマンドや「ブレンド」コマンドなども有効です。
Illustrator の「グラフィックスタイル」パネルに登録できます。

基本操作例:

    サンプルファイル effect_fractalize_01.ai 参照
  1. 「 Illustrator >ファイル>新規…」メニューで新規書類(単位は pt )を開く。
  2. 書類上に幅 144 pt (2 in)、高さ 72 pt (1 in) の長方形を描き、塗り色を白、線色を黒、線幅を 1 pt とする。
  3. 長方形を選択状態にする。
  4. 「 Illustrator >効果> FILTERiT5 > フラクタル化...」メニューを選択。 「FILTERiT5: フラクタル化 効果」というタイトルのダイアログボックスが開く。
  5. ウィンドウ左下のポップアップメニューから「初期設定」を選択。
  6. 「ジェネレータ」を「正三角形3」とし、「水平軸反転」オプションを選ぶ。
  7. 「最大数量/インチ」を 1 とする。
  8. 「レベル」を 3 とする。
  9. 「レベル」と「最大数量/インチ」を増減してみる。
  10. 決まったら「OK」ボタンでウィンドウを閉じる。
  11. 書類上の効果適用済みオブジェクトの形状を変更してみる。
  12. Illustrator の「アピアランス」パネルを開く。
  13. 効果オブジェクトを選択して、「アピアランス」パネルの「FILTERiT5: フラクタル化…」のエントリをクリックする。選択オブジェクト作成時の設定で 「FILTERiT5: フラクタル化 効果」ダイアログボックスが開きます。
  14. 次項を参照してパネルの設定項目を変更してみる。

注意1:この効果は塗りや線指定より後に適用されるタイプです。 Illustrator の「アピアランス」パネルで適用後のエントリ順をご確認ください。

注意2:FILTERiT5 効果オブジェクトのあるファイルを FILTERiT5 がインストールされていない Illustrator で開くと、「...削除または分割・拡張以外の操作を実行できない」旨の警告がでますがエラーではありません。必要なら「 Illustrator >オブジェクト>アピアランスを分割」メニューコマンドによって分割してください。分割しても視覚効果は有効で、その後アラートは現れません。出稿時などには FILTERiT5 効果オブジェクトは前もって分割しておくことをお勧めします。

ヒント1:効果を取り消すには「アピアランス」パネルで「FILTERiT5 フラクタル化…」のエントリを削除します。

ヒント2Illustrator>環境設定>一般>「線幅と効果も拡大・縮小」オプションにも対応しています。
これにより効果を適用したオブジェクトのバウンディングボックスを拡大・縮小した場合に、アピアランスも同率で拡大・縮小されます。(相似形を保ちます)

ウィンドウの設定項目について:

[ジェネレータ]ポップアップメニュー/チェックボックス
パスのセグメントをどの形状で置き換えるかを指定します。メニューの各アイコンはそれぞれの形状を示しています。
「水平軸反転」および「垂直軸反転」チェックボックスにより置き換え時の向きを反転できます。

[一定サイズで]チェックボックス
当オプションが選択されている場合は、置換挿入先として細分化されるセグメント長は、「最大数量/インチ」入力値の逆数「1インチ(= 72 pt)÷入力値」になります。また基セグメントごとの細分化による余剰セグメントや最初から細分化サイズより小さいセグメントはジェネレータ・インスタンスで置換されません。

[レベル]ポップアップメニュー
置き換えの繰り返し回数を指定します。
例えばレベルが2なら1度置き換えたパスに対し重ねて同じジェネレータによる置き換えを実行します。

[最大数量/インチ]値入力
「一定サイズで」オプションが選択されているか否かによって当設定値を基に次のように結果が変わります。ここではパスに沿った長さ「1インチ(= 72 pt)÷当入力値」の細分化単位長を A とします。
・「一定サイズで」オプションが選択されている場合:
パスを基セグメントごとに A で分割し、そこにジェネレータ・インスタンスを置換挿入します。 割り切れない余りは基のパス形状のまま残ります。また A に満たない基セグメントもそのままになります。
・「一定サイズで」オプションが選択されていない場合:
パスの基セグメントごとに「セグメント長÷ A 」の値の整数部で基セグメントを等分し、ジェネレータ・インスタンスを置換挿入します。この場合は最初からある A に満たないセグメントにも置換挿入します。

注意1:いずれの場合も基パスのセグメントのアンカーポイントはそのままです。

注意2:置き換えによって1パスあたりの最大セグメント数 32,000( Illustrator の仕様)を超える場合にはすべての置き換えを中止します。その場合には「レベル」を下げるか「最大数量/インチ」の入力値を減らしてください。

[高さ(%)]値入力
挿入するジェネレータ・インスタンスの垂直方向の比率を指定します。

[スキップサイズ(%)]値入力
置き換え先のセグメント長の半分のうち当設定値の割合だけスキップし(間隔を空け)ます。間隔の分だけジェネレータ・インスタンスが入る領域は縮小されます。例えば当入力値が 100% の場合は、置き換え先のセグメントはジェネレータ・インスタンスの領域分と間隔分に等分されます。

[シフトサイズ/スキップ(%)]値入力
「スキップサイズ」に対して置き換え位置をどれだけの割合でシフトする(ずらす)かを指定します。シフトはパスに沿っておこなわれます。当設定値は「スキップサイズ」がゼロより大きい場合に有効です。

[ひずみ]チェックボックス/値入力/ボタン
置き換え前のアンカーポイントの位置をランダムに移動します。入力値は「最大数量/インチ」値で決まるセグメント長さ相対です。入力欄下の「ジェネレータ・インスタンスに作用する」オプションを選択すれば挿入後のジェネレータ・インスタンスもひずみます。また「乱数列変更」ボタンによりランダム加減を変更することができます。

注意:この効果は塗りや線指定より後に適用されるタイプですので、塗りと線の両指定があるオブジェクトでグループ化されていないものには塗りと線とに別々に効果が適用されます。このような効果は「ひずみ」のようなランダム作用を使った場合に現れます。もし単一のパスなどでこのような効果を避けたい場合には単一パスでも適用前にグループ化しておいてください。逆にグループ化したものにもこの効果を用いたい場合には、 Illustrator の「アピアランス」パネルでオブジェクトの内容をダブルクリックで広げ、塗りまたは線のそれぞれに適用してください。(グループ解除によっても可能です。)

[プレビュー]チェックボックス
選択時にはウィンドウ設定項目の変更をリアルタイムに効果に反映します。通常は選択状態にしておいてください。

[OK]ボタン
設定を決定してウィンドウを閉じます。
optionキー(Mac)またはAltキー(Windows)を併用すれば、結果のライブオブジェクトにIllustratorのメニューコマンド「オブジェクト>アピアランスを分割」を適用します。ただし、結果のライブ効果は失われます。

[キャンセル]ボタン
設定をキャンセルしてウィンドウを閉じます。

[ウィンドウメニュー](ウィンドウ左下位置)
ウィンドウの設定を初期状態(デフォルト)にすることができます。また現在の設定に名前を付けて保存しプリセットメニュー項目として追加できます。
プリセットメニューの使い方については「プリセットメニュー」のページをお読みください。