概要:
選択オブジェクト(パスまたはテキストおよびそのグループ)を指定に従って水平垂直方向に複製しタイル状に並べます。
適用後のライブオブジェクトを編集すれば、それに合わせて視覚効果は自動的に更新されます。
基本操作例:
- 「 Illustrator >ファイル>新規…」メニューで新規書類(単位は pt )を開く。
- 「 Illustrator >ウィンドウ> FILTERiT5 > Live タイリング」メニューを選択する。 「FILTERiT5: Live タイリング」というタイトルのパネルが開く。
- 書類上に幅 30 pt 、高さ 10 pt の長方形を描き、塗り色は赤、線は無指定とする。
- 長方形を選択状態にする。
- パネル・メニュー(パネル右上)から「初期設定」を選択する。
- パネルの「適用」ボタンをクリックする。
- パネルのスペース設定を「絶対スペース」とし、水平 3 pt 、垂直 3 pt とする。
- 「オフセットとスケーリング」グループの「ランダムスケール(%)」にチェックを入れる。
- 次項を参照してパネルの設定項目を変更してみる。
- 以下の「パターン位置合わせのためのマスク」オプションの使用例へ続きます。
サンプルファイル live_trail_01.ai (Artboard 1) 参照
パネルの設定項目について:
[列数 x 行数]値入力
タイルの水平方向に並べる列数と垂直方向に並べる行数を指定します。[スペース]グループ
タイル間の水平方向の空きと垂直方向の空きを相対量(%)か絶対量で指定します。[市松模様に]チェックボックス
タイルを市松模様のように並べます。[オフセットとスケーリング]グループ
オフセットとスケーリングの方向を「水平」「垂直」で選びます。「累積的に」が非選択ならタイル配置のオフセットは「オフセット」量だけ交互に与えられますが、選択されていれば階段状になります。
「ランダムスケール」が選択されていると、個々の配置タイルが指定範囲でランダムに拡大縮小します。[パターン位置合わせのためのマスク] チェックボックス
Illustrator のパターンとして「スウォッチ」パネルに保存するための事前処置として位置決め用のクリッピングマスクを施します。
次にこのオプションを利用した例を示します。
先の「基本操作例」から続きます。
- 「オフセット(%)」をチェックして入力欄に 50 と入力する。水平方向にランダムスケールが指定されていますので行ごとに指定のオフセット範囲で不規則にズレます。
- 「パターン位置合わせのためのマスク」をチェックする。オブジェクトの上下左右端がつなぎ目位置でマスクされます。
- 「Illustrator >オブジェクト>パターン>作成…」メニューコマンドを選択する。Illustrator のパターン編集モードに入り、Illustrator の「パターンオプション」パネルが開きます。
- Illustrator の「パターンオプション」パネルの「タイルの種類」を「グリッド」とし、「オブジェクトにタイルサイズを合わせる」をチェックする。これにより仮クリップ領域でタイルオブジェクトどうしが密着します。仮クリップの役目が終わりました。
- 「オブジェクトにタイルサイズを合わせる」のチェックを外す。
- 書類上のオブジェクトを選択する。
- 「Illustrator >オブジェクト>クリッピングマスク>解除」メニューコマンドを選択する。これで仮クリップが外されます。
- パターン編集ウィンドウの左上にある「完了」をクリックしてパターン編集モードを抜ける。
以上で Illustrator の「スウォッチ」パネルに Live タイリングで作成したパターンが保存されましたので使ってみます。
- 書類上に長径 500 pt 、 短径 300 pt の楕円を描く。
- 楕円の塗りとしていま Illustrator の「スウォッチ」パネルに保存したパターンを指定する。
サンプルファイル live_trail_01.ai (Artboard 2) 参照
[ゆらぎ]グループ
ここでの指定値を F として -F から F までの範囲で配置タイルに対して位置、サイズ、角度の散乱を与えることができます。[右または上へ向かって]グループ
タイル配置の最も左の列の水平スケールと回転角が「スケーリングH(%)」と「回転H(°)」になるように各列に比例配分されます。
タイル配置の最も上の行の垂直スケールと回転角が「スケーリングV(%)」と「回転V(°)」になるように各行に比例配分されます。
「スペースもリサイズ」がチェックされていると列間と行間にもスケーリング値が比例配分されます。
「水平重ね」「垂直重ね」で隣接タイルどうしが重なり合う場合の上下関係を指定します。
「水平重ね」は右方向に上積みか下積みかを指定します。
「垂直重ね」は上方向に上積みか下積みかを指定します。[ライブアップデート]チェックボックス
選択時にはパネル設定項目の変更をリアルタイムに効果に反映します。通常は選択状態にしておいてください。[適用]ボタン
オブジェクト選択時に有効になります。クリックで当 Live 効果が適用されます。
一度ライブオブジェクトにすれば、オブジェクト編集や設定変更をごとに適用ボタンをクリックする必要はありません(「ライブアップデート」選択時)。[拡張]ボタン
ライブオブジェクトの視覚効果を残したまま通常のグループにします。 Live 機能は消失します。[解除]ボタン
ライブオブジェクトを効果適用前の状態に戻します。[パネル・メニュー](パネルタイトル右端位置)
パネルの設定を初期状態(デフォルト)にすることができます。また現在の設定に名前を付けて保存しプリセットメニュー項目としてここに追加できます。
プリセットメニューの使い方については「プリセットメニュー」のページをお読みください。