FILTERiT6: フラクタル化 フィルター

インデクス ] [ 効果/フィルター機能全般

※当フィルターの替わりに「Illustrator>効果> FILTERiT6 」メニューにある「フラクタル化 効果」の使用をお勧めします。
効果メニューにある同名コマンドではテキスト・オブジェクトにも適用できます。

概要:

選択されたパスのセグメントを指定量だけ増やし、指定のジェネレータ(基本図形)のインスタンスで置き換えます。置き換えはレベル数に応じて繰り返しおこなわれます。

効果版とフィルター版との違い

<効果版>
テキスト・オブジェクトにも適用できる。
基オブジェクトを再編集できて効果は自動的に更新される。
Illustrator の「ブレンド」に対応している。
Illustrator の「グラフィックスタイル」パネルに登録できる。
<フィルター版>
Illustrator の「アクション」による記録/再生が可能。

基本操作例:

  1. 「 Illustrator >ファイル>新規…」メニューで新規ドキュメント(単位は pt )を開く。
  2. ドキュメント上に幅 144 pt (2 in)、高さ 72 pt (1 in) の長方形を描き、塗り色を白、線色を黒、線幅を 1 pt とする。
  3. 長方形を選択状態にする。
  4. 「 Illustrator >オブジェクト>フィルターー> FILTERiT6 > フラクタル化...」メニューを選択。「FILTERiT6:フラクタル化 フィルター」というタイトルのダイアログボックスが開く。
  5. ダイアログボックス左下のポップアップメニューから「初期設定」を選択。
  6. 「ジェネレータ」を「半円」とし、「水平軸反転」オプションを選ぶ。
  7. 「スキップサイズ」を 100 % とする。
  8. 「シフトサイズ/スキップ」を 50 % とする。
  9. 「最大数量/インチ」の入力値を増減してみる。
  10. 決まったら「OK」ボタンでダイアログボックスを閉じる。

ダイアログボックスの設定項目について:

[ジェネレータ]ポップアップメニュー/チェックボックス
パスのセグメントをどの形状で置き換えるかを指定します。メニューの各アイコンはそれぞれの形状を示しています。
「水平軸反転」および「垂直軸反転」チェックボックスにより置き換え時の向きを反転できます。

[一定サイズで]チェックボックス
当オプションが選択されているときの置き換えセグメントの長さは、「最大数量/インチ」入力値の逆数「1インチ(=72pt)÷入力値」になります。

[レベル]ポップアップメニュー
置き換えの繰り返し回数を指定します。
例えばレベルが2なら1度置き換えたパスに対し重ねて同じジェネレータによる置き換えを実行します。

[最大数量/インチ]値入力
「一定サイズで」オプションが選択されているか否かによって当設定値を基に次のように結果が変わります。ここでパスに沿った長さ「1インチ(= 72 pt)÷当入力値」の区分単位を A とします。
・「一定サイズで」オプションが選択されている場合:
パスを基セグメントごとに A で区分し、そこにジェネレータ・インスタンスを置換挿入します。 割り切れない余りは基のパス形状のまま残ります。また A に満たない基セグメントもそのままになります。
・「一定サイズで」オプションが選択されていない場合:
パスの基セグメントごとに A が最大いくつ取れるかを算出(セグメント長÷ A の商)し、その数で基セグメントを等分してジェネレータ・インスタンスを置換挿入します。また A に満たないセグメントにも置換挿入します。

注意1:いずれの場合も基パスのセグメントのアンカーポイントはそのままです。

注意2:置き換えによって1パスあたりの最大セグメント数 32,000( Illustrator の仕様)を超える場合にはすべての置き換えを中止します。その場合には「レベル」を下げるか「最大数量/インチ」の入力値を減らしてください。

[高さ(%)]値入力
挿入するジェネレータ・インスタンスの垂直方向の比率を指定します。

[スキップサイズ(%)]値入力
置き換え先のセグメントの半分のうち当設定値の割合だけスキップし(間隔を空け)ます。間隔の分だけジェネレータ・インスタンスが入る領域は縮小されます。例えば当入力値が100%の場合は、置き換え先のセグメントはジェネレータ・インスタンスの領域分と間隔分に等分されます。

[シフトサイズ/スキップ(%)]値入力
「スキップサイズ」に対して置き換え位置をどれだけの割合でシフトする(ずらす)かを指定します。シフトはパスに沿っておこなわれます。当設定値は「スキップサイズ」がゼロより大きい場合に有効です。

[ひずみ]チェックボックス/値入力/ボタン
置き換え前のアンカーポイントの位置をランダムに移動します。入力値は「最大数量/インチ」値で決まるセグメント長さ相対です。入力欄下の「ジェネレータ・インスタンスに作用する」オプションを選択すれば挿入後のジェネレータ・インスタンスもひずみます。また「乱数列変更」ボタンによりランダム形状を変更することができます。

[乱数列変更]ボタン(高速モードでは無効)
「ひずみ」値が非ゼロのときにこのボタンをクリックすれば新たな不規則さで効果を更新します。

[境界線を隠す/表示]ボタン【FILTERiT6新機能】
適用対象としているオブジェクトの境界線の表示を隠したり表示したりできます。ボタンはクリックごとにトグル動作します。
特に対象がアウトライン化したテキストの場合に効果の適用加減が確認し易くなります。
ダイアログボックスを閉じるとドキュメントの設定状態に戻ります。

[リセット]ボタン
ダイアログボックスの設定を初期化します。この動作は「プリセット」ポップアップメニューの「初期設定」項目を選択するのと等価です。

[プリセット]ポップアップメニュー(ダイアログボックス左下位置)
ダイアログボックスの設定を初期状態(デフォルト)にすることができます。また現在の設定に名前を付けて保存しプリセットメニュー項目としてここに追加できます。
プリセットメニューの使い方については「プリセットメニュー」のページをお読みください。

[プレビュー]チェックボックス
選択時にはダイアログボックス設定項目の変更をリアルタイムに効果に反映します。通常は選択状態にしておいてください。

[OK]ボタン
設定を決定してダイアログボックスを閉じます。

[キャンセル]ボタン
設定をキャンセルしてダイアログボックスを閉じます。