概要:
選択オブジェクト(パスまたはテキストおよびそのグループ)を基にした繰り返しパターンでアートボードなどを埋め尽くします。
繰り返しパターンには結晶構造の分類を由来にした 17 種類のものがあります。
選択オブジェクトに対するクリッピング領域を平行移動/回転/鏡映/すべり鏡映操作をおこなうことによりひとつのユニット(長方形、正方形、ひし型、正六角形)を形成し、それをタイル状に配置して隙間無く埋め尽くします。
基オブジェクトを再編集できて効果は自動的に更新されます。
壁紙を構成するユニットをIllustrator のパターン編集モードへ渡し、Illustrator の「スウォッチ」パネルに保存することもできます。注意: PC 環境によっては「 Illustrator >表示> GPU でプレビュー」メニューを選択していると再描画に時間を要することがあります。その場合には「 Illustrator > 表示 > CPU でプレビュー」メニューに切り換えてください。なお、GPU パフォーマンス自体のオン/オフは Illustrator の環境設定でおこなうことができます。
基本操作例:
- 「 Illustrator >ファイル>新規…」メニューで新規書類(単位は pt )を開く。
- 「 Illustrator >ウィンドウ> XtreamPath2 > Live 壁紙(結晶パターン)」メニューを選択する。 「XtreamPath2: Live 壁紙(結晶パターン)」というタイトルのパネルが開く。
- 書類上に幅 50 pt 、高さ 30 pt の楕円を描き、塗り色は線形グラデーション、線色は黒、線幅は 1 pt とする。
- 楕円を選択状態にする。
- パネル・メニュー(パネル右上)から「初期設定」を選択する。
- パネルの「適用」ボタンをクリックする。
- 「水平オフセット」を 30 %、「水平サイズ」を 72 % に設定。このパターンの場合は「垂直サイズ」も同じ値になります。
- 書類上の楕円の径、塗り、線の属性などを変更してみる。
- 次項を参照してパネルの設定項目を変更してみる。
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サンプルファイル live_wallpaper_01.ai 参照
パネルの設定項目について:
[パターン]アイコン付きラジオボタン/ポップアップリスト
17 種のボタンのうちからひとつを選択すると右側にそれによる構成模式図が表示されます。
図中の赤着色部分はクリップ領域、アウトラインはユニット(長方形、正方形、ひし形、正六角形のいずれか)を示しています。
クリップ領域はユニットを形成する最小単位です。
ボタンの替わりにポップアップリスト( IUC表記 )でも指定するができます。(相互連動)[範囲]ポップアップリスト
パターンの表示範囲を指定します。[オフセット]チェックボックス/ポップアップリスト/ラジオボタン
パターンが長方形または正方形ユニットから構成される場合に有効になります。
各行(水平)または列(垂直)間のずれをユニット枠のサイズ相対で指定します。[クリップ領域]グループ
ユニットを構成する最小単位となる領域に関してそのクリッピング方法およびオフセットとサイズを相対指定します。「クリッピング」は実際に切り取るかそのままか、あるいはマスクによるかを選択します。(効果として見かけ上は同じです。Live 壁紙を「拡張」することで、後者では切り抜き部分が Illustrator のクリッピングマスクを用いて表現されていることがわかります。)
操作時はなるべく「境界を標示」オプションを選択状態にしておいてください。領域やその中心はガイドで標示していますので Illustrator の「環境設定」で色を変更できます。
「リセット」ボタンはクリップ領域グループ内の設定のみを初期状態に戻します。
なお、書類上のクリップ領域の絶対サイズは選択オブジェクトを内包する最小矩形に依存します。注意:クリップ領域のサイズ設定ではパターンにより水平、垂直を個別に指定できるものと同じ値で連動するものとがあります。
[重ね方]グループ
「クリッピング」が「しない」の場合に有効になります。
タイルが重なる場合の左右および上下方向や1ユニット内の重ね順をコントロールできます。「ユニット内のオーダーを反転」オプションでユニット内の重ね順を逆にできます。[ライブアップデート]チェックボックス
選択時にはパネル設定項目の変更をリアルタイムに効果に反映します。通常は選択状態にしておいてください。[適用]ボタン
オブジェクト選択時に有効になります。クリックで当 Live 効果が適用されます。
一度ライブオブジェクトにすれば、オブジェクト編集や設定変更をごとに適用ボタンをクリックする必要はありません(「ライブアップデート」選択時)。[拡張]ボタン
ライブオブジェクトの視覚効果を残したまま通常のグループにします。 Live 機能は消失します。[解除]ボタン
ライブオブジェクトを効果適用前の状態に戻します。[AI パターンとしてスウォッチパネルに保存...]ボタン
Illustrator のパターン編集モードに入ります。「壁紙」を Illustrator のパターンとして Illustrator の「Swatches」パネルに保存し再利用することが目的です。
このとき壁紙を構成する1ユニットのオブジェクトが Illustrator のパターン編集モードに渡され、編集モードの書類上にデフォルトのタイル配置( 5x5 のグリッドなど)として表示されます。
同時に開かれる Illustrator の「パターンオプション」パネルを用い、ユニットの形状(矩形、ひし型、正六角形)やクリッピングの状態に応じた設定をおこなってください。
編集モードに入ると「XtreamPath2: Live 壁紙」パネルの右側が拡張してヒントが表示されます。編集モードでのパターンを「壁紙」と同じタイル配置にするにはこのヒントの手順に従ってください。
ヒント欄にはその都度のユニットの形状などに応じた内容が表示されます。
通常のパターン編集と同様にヒント設定以外のカスタマイズやオブジェクト自体の編集も可能です。もとの「Live 壁紙」オブジェクトには影響は及びません。
なお、編集モードに入っている間は「Live 壁紙」パネルの設定は無効です。
このオプションを利用した例を示します。
- サンプルフォルダの live_wallpaper_01.ai ファイルを開く。書類には上の図の壁紙があります。
- 書類上の壁紙を選択する。 Live 壁紙が適用済みですので Illustrator の選択ツールで壁紙のどこかをクリックすれば基となった楕円が選択状態になります。
- 「Live 壁紙」パネルの「AI パターンとしてスウォッチパネルに保存...」ボタンを押す。 Illustrator はパターン編集モードに入ります。
- 「Live 壁紙」パネルの右側が拡張してヒントが表示される。このヒント内容は壁紙の設定に合わせて変わります。
- ヒント A の指示通りに Illustrator の「パターンオプション」パネルの設定をおこなう。当例でタイルとして「六角形(横)」を選ぶ理由は壁紙の1ユニット形状が水平(横)方向に密着連結可能な六角形であるためです。
- ヒント B に従いパターンに名前を付けて保存が完了したら編集モードから抜ける。
- Illustrator の「アートボード」パネルを用いて新規アートボードを追加し、そのアートボード上に楕円を描く。
- 楕円の塗りとして Illustrator の「スウォッチ」パネルからステップ 6 で保存したパターンを選択する。
サンプルファイル live_wallpaper_02.ai 参照
ヒント:パターンを利用したオブジェクトを別の書類上に複製すれば「スウォッチ」のパターンも複製されます。スウォッチライブラリの取り扱いについては Illustrator のヘルプなどを参照してください。
[パネル・メニュー](パネルタイトル右端選択プリセットを削除)
パネルの設定を初期状態(デフォルト)にすることができます。また現在の設定に名前を付けて保存しプリセット・メニュー項目としてここに追加できます。
プリセット・メニューの使い方については「プリセット・メニュー」のページをお読みください。